「フェミニストのキズナアイです!」動画騒動など、キズナアイ炎上騒動について考えてみた。


NHKのバーチャルYouTuber(キズナアイ)によるノーベル賞解説の特設サイト開設について、社会学者の千田有紀氏が自己の見解を補足する記事から始まった「キズナアイ騒動」ですが、「フェミニストのキズナアイです!」という動画が出てくるなど、炎上といえる状態になってきています。

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Twitterより

10/8追記
指摘が多数あったためか、上記ツイートは削除されましたが、「フェミニストのキズナアイ」を名乗るようです。





1.そもそも「フェミニスト」の意味とは?

フェミニストとは、フェミニズムの信条に賛同している人たちのことです。

フェミニズムとは?

男女同権と性差別のない社会をめざし,女性の社会的・政治的・経済的地位の向上と性差別の払拭(ふつしよく)を主張する論。一九世紀から二〇世紀初頭の欧米諸国を中心とする女性参政権運動の盛り上がりを第一波,1960年代以後のウーマン-リブに代表される動きを第二波と区別することが多い。
引用先:フェミニズムとは(Weblio辞書)



2.なぜ炎上したの?

炎上の原因の一つの要因として、社会学者の千田有紀氏の「自己の見解」が反論の隙を与えすぎているものであることがあげられます。

以下、Yahoo!ニュース記事より引用しています。
日本では近年、小保方晴子氏の「捏造」が発覚してから、ただでさえ少ない理系女子に対する眼差しはさらに厳しい
STAP細胞捏造問題は「女性」研究者であることと無関係で、不十分な論文を発表してしまったいわゆる「捏造」をしたこと自体が悪いのではないでしょうか。

1)子どもを対象にした
2)教育的な教材で
3)女性は理系が苦手だというステレオタイプがあり
4)実際に女性の多くが理系に進まないという現実があるなかで
5)女性が性的に描かれていて(ここの評価は分かれるようだが、やはり胸が強調されているのは否めないと思う。思わないとしたら、脳内の女性の表象の「スタンダード」が違うのだと思う)
6)女性が相槌しか打たない補助的な役割に押し込められている
という6点において、次回サイトを作成するときには、配慮してくれると嬉しいと考えているのである。
特に6)の部分に注目していきますが、
「ノーベル賞まるわかり授業」でのキズナアイの役割は、生徒役であり、聞き手であり、相槌役です。
リズムよく相槌を打ち、要点を強調し、質問で補足し、話をわかりやすく整理する高度な役割が求められるため、「相槌しか打たない」は悪意のある表現と言えるのではないでしょうか。

3.「フェミニストのキズナアイです!」動画騒動について


個人的な意見として、言いたい事はわかりますが、やり方が悪すぎます。

悪い点

1.「フェミニスト」の一文が「キズナアイ ライセンス条項」違反に当てはまること

ライセンス条項の一つに、「(3) 公序良俗に反する行為や目的、暴力的な表現、反社会的な行為や目的、特定の信条や宗教、政治的発言のため利用しないこと。」というものがあり、特定の信条という部分に抵触してしまっている状態です。

日本では「表現の自由」が認められていて、様々な主張をする自由がありますが、
ライセンス条項の違反は「著作権法違反」と完全に法律違反です。
表現をする上でルールを守ることは最重要です。守ってほしかったです。
キズナアイ ライセンス条項

2.「女の子の身体は女の子のもの」ではなく、「個人の身体はその人のもの」

「女の子の身体は女の子のもの」というのは誤解を生む表現で、「個人の身体はその個人のもの」が正しいと言えます。
また、その後の発言「あなたのものではありません」については、
この投稿者がキズナアイの中身になっても、キズナアイは投稿者の物ではないのですが……と反論されかれないものです。

良い点

1.「あなたのものではありません」自体は正しい

日本国憲法憲法13条
すべての国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重必要とする。
の部分に当てはまると言えます。

AIに自我が目覚めたらそれは人間(国民)として扱うのか?など、哲学的な部分はありますが、「女の子」という部分に着目すれば尊重されるべき権利といえます。

参考サイト:憲法13条の構成(役に立つ法律の情報、実用法学)

2.批判的な意見が多数派である現状で、批判に反対する意見を発信、表現や権利について語り合うきっかけを作った

「キズナアイ騒動」では、批判的な意見が非常に多く、その中で反対の意見を出すことは非常に勇気のある行動といえます。
また、Yahoo!ニュースの千田有紀氏の記事内にも下記内容が最後に記載されていて、表現について色々な立場で語り合うことが重要であることは、非常に賛同できます。

私は「表現の自由」は重要であると思っている。
そして国家による検閲や介入は、できるだけないほうが望ましいとも考えている。
だからこそ、国家に介入されないように、私たち市民がオープンに表現について語ることが必要だと思っている。

4.さいごに

ここまで読んだ方の多くの人が、「フェミニストめんどくさいなあ!」と思っているかもしれません。
しかし、性差別の払拭を主張する面は、女だけの問題ではないといえます。
例として、「男は働いて家族を養うものだ」「稼ぎが悪い男には価値がない」というものがあります。

実際、世の中には多種多様の考え方があります。
ですから、家族が一番大事な人、男らしさや女らしさが大事な人、「家長は男、支えるのが女」と思う人がいてもいいのです。
しかし、そうではない人、それができない人がいて、どのような個人でも尊重して生きることができる社会にしていくため、語り合うべきではないでしょうか。

批判が個人攻撃ではなく、建設的な議論ができる社会になればいいなと私は思いました。



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